📊 松井会計事務所 × AI

会計の未来を変える提案
「データを外に出さない」 — それが最大の武器になる
2026年8月6日
玉川(長男)作成

お父さんへ。
先日、松井先生・息子さんと話した内容を、図とともに分かりやすく整理しました。
専門用語にはすべて解説をつけています。日経新聞を読むお父さんなら、きっと面白いと思ってもらえるはずです。

1今の会計のやり方 — 何が問題か

お父さんの会社の会計は、今こう回っています。

社長(お父さん)
原票を手書き
中林さん
振替伝票に
手書きで書き直す
松井事務所
パソコンに
打ち直す
⚠️ 同じデータが 3回 も人の手を通る — 転記ミスの危険

松井先生も言っていました。「紙でもらって、一度入力し直す。それが省略できれば、一番いい」と。

中林さんは長年の経験で、お父さんの会社の経理を熟知しています。しかし、その知識が紙と手書きの中に埋もれてしまっているのが現状です。

2AIを使うと、どう変わるか

原票をスキャン(※1)して、AIが自動で仕訳(※2)を作ります。中林さんの作業は「書く」から「チェックする」に変わります。

社長
原票を
スキャンするだけ
AI自動仕訳
原票を読み取り
勘定科目を判定
中林さん
見て直すだけ
松井事務所
データで受領
打ち直しゼロ
✅ データが人の手を通るのは1回だけ — ミス激減、時間も大幅短縮

松井先生の言葉:「AIは学習する。最初は4〜5回、間違えて直す必要がある。でも、そのうち精度がどんどん上がる。中林さんの直す作業そのものが、AIの勉強材料になる」

つまり、中林さんの経験はAIに引き継がれる。中林さんの知識が無駄になるのではなく、AIの中に永遠に残るのです。

3ここからが本題 — ローカルLLMを製品化する

松井先生の事務所が、このAIシステムを「データを外に出さない会計AI」として商品化したら、大きなビジネスチャンスになります。

💡

「ローカルLLM(※3)」とは何か?

ChatGPTのようなAIは、インターネット越しに「雲の上のコンピューター(クラウド)」で動いています。データをインターネットに送る必要があります。

ローカルLLMは、自分のパソコンの中だけで動くAIです。データを一歩も外に出しません。

会社の経理データ — 取引先、仕入価格、人件費、利益率 — は企業の経営のDNAです。これをインターネットに送らないことは、企業にとって圧倒的な安心感につながります。

「データを外に出さない会計AI」
これが、freeeやマネーフォワードにはできない、
松井事務所だけの武器です。

4クラウド会計ソフト(※4)との違い

お父さんも日経新聞で見たことがあるかもしれません。freee(フリー)やマネーフォワードといった会社が、AIで自動仕訳する会計ソフトを売っています。

比較項目 freee / マネーフォワード
(クラウド型)
松井事務所
(ローカルLLM型)
データの場所 インターネット上(クラウド)に送られる 自社パソコンの中だけ。外に出ない
機密情報の扱い IT企業のサーバーに預ける 信頼する会計士が管理
仕訳の精度 どの会社でも「平均的」な精度 中林さんのノウハウで業種別に高精度
提供するもの ソフトウェアだけ ソフト+会計士の専門サービス
トラブル時 コールセンター(顔が見えない) 松井先生・息子さんが直接対応

クラウド大手が「ソフトウェア」を売るのに対して、松井事務所は「AIを積んだ会計サービス」を売ります。これが事務所として戦える領域です。

5なぜ今、松井事務所にチャンスがあるのか

📚

学習データがある

長年蓄積したクライアントの仕訳履歴は、AIを賢くする最高の教材。IT企業には絶対に持てない資産

🧠

中林さんの暗黙知

「このパターンは消耗品費」という判断基準。これをAIに教え込めば、オリジナルのAIができる

⚙️

システムが既にある

松井事務所はAI仕訳システムを保有済み。技術の準備は整っていて、あとは使う意志だけ

🤝

信頼関係がある

長年のクライアント関係。「松井先生のシステム」は、見知らぬIT企業より圧倒的に安心

🔑

最大の武器は「データ主権」

クラウド会計ソフトにデータを預けるということは、無料で自社の情報をIT企業に提供しているのと同じです。
あのIT企業たちは、蓄積されたデータで自社のAIを賢くし、いずれ会計士の仕事を奪おうとしています。

ローカルLLMは、この構造を完全に断ち切ります。データは事務所から一歩も外に出ない。学習したAIも事務所の中で動く。これは、クラウド勢には構造上、絶対に対抗できません。

6ビジネスモデル — どう儲かるか

三つの稼ぎ方を組み合わせます。

A

月額サブスクリプション(※5)

対象:既存のクライアント企業

AI仕訳ツール+松井事務所の定期チェックをセットにした月額サービス。今の顧問契約の上位プランとして位置付ける。

B

パッケージ販売

対象:他の会計事務所

「松井式AI仕訳システム」を、他の会計事務所に販売。導入事務所が増えるほど、業種別の学習データが蓄積し、AIがどんどん賢くなる。

C

コンサル+システム構築

対象:中堅企業

自社で会計システムを持たない企業に、要件定義からローカルLLM環境の構築、運用支援までを一括提供。単価が高く、利益率が良い。

推奨は「Aを核に、Bで規模を拡大し、Cで利益率を補強」する構成です。

7いつ始めるか — 4段階の道筋

Phase 1:3〜6ヶ月

📊 社内でプロトタイプ完成

中林さんの作業を観察し、AI仕訳システムをローカルLLM環境で動かす。中林さんの目で精度を評価してもらい、改善サイクルを回す。まずは自社で効果を証明する。

Phase 2:6〜12ヶ月

🚀 一部クライアントへ先行提供

親密なクライアント3〜5社に使ってもらう。フィードバックを集め、使いやすさと精度を磨く。この段階で月額サービスの価格を試す。

Phase 3:1〜2年

📦 パッケージ化・他事務所へ

自社クライアントでの実績を事例として、他の会計事務所に「松井式」を提供開始。事務所ネットワークを構築する。

Phase 4:2〜3年

🏆 業種別モデル確立

建設、小売、サービス業など、業種別に特化したAI会計モデルを完成。地域密着型AI会計のプラットフォームとしての地位を確立する。

中林さんへの配慮

松井先生と合意した一番大事な原則です。「中林さんの仕事が増えるようなことは絶対に嫌」

😊

経験がAIに引き継がれる

中林さんの「こうする」という判断がAIに学習され、永遠に残る。無駄にならない

🔍

チェック役として重要

AIが出した答えを最終確認するのは人間。新しい取引の判断は、AIにはできない領域

時間にゆとりができる

書く作業が減り、確認作業になる。浮いた時間はお茶を飲んでもいいし、新しい仕事でもいい

🎓

次世代に教える役割

AIが学習する過程で、中林さんの知識が「教科書」になる。後進の指導者としての役割

用語解説 — お父さんのために

本文中の(※数字)の用語を分かりやすく説明します。

📖 分かりやすく言うと…

※1 スキャン(scan)
紙の書類をカメラや読み取り機で撮影して、パソコンで見られるデータ(PDFなど)にすること。複合機についている機能です。スマホのカメラでもできます。
※2 仕訳(しわけ)
会計の基本作業。取引を「現金がいくら増えた」「仕入がいくら発生した」のように、左右の項目に分けて記録すること。中林さんが振替伝票(ふりかえでんぴょう)に書いている作業がこれです。
※3 ローカルLLM(Local Large Language Model)
「ローカル」=自分のパソコンの中。「LLM」=ChatGPTのような、言葉を理解するAIの頭脳。つまり「自分のパソコンの中だけで動くAI」。データをインターネットに送る必要がありません。お父さんが買った高性能なMac(アップルのパソコン)があれば動かせます。
※4 クラウド会計ソフト(Cloud)
freee(フリー)やマネーフォワードなど、インターネット経由で使う会計ソフト。「雲の上(クラウド)にあるコンピューター」でデータを処理するため、会社の会計データをインターネットに送る必要があります。便利ですが、データが外部に出るリスクがあります。
※5 サブスクリプション(Subscription)
月額や年額で定期的に料金を払う仕組み。Netflix(ネットフリックス)や新聞の月極購読と同じ。一度契約すると継続的に収入が入るため、ビジネスが安定します。
AI(人工知能)
人間の知能の働き(学習、推論、判断)をコンピューターにやらせる技術。最近のAIは「大量のデータから自ら学ぶ」能力が高くなっています。会計の仕訳も、過去のデータを学べば自動でできるようになります。
OCR(光学的文字認識)
紙に書かれた文字を、スキャンしてパソコンが読める「テキストデータ」に変換する技術。手書きの領収書や請求書を読み取って、自動でデータ入力することができます。
ファインチューニング(Fine-tuning)
すでに賢いAIに、特定の分野(例:会計)の知識をさらに教え込んで、その分野の専門家にすること。中林さんがAIの答えを直す作業そのものが、ファインチューニングになります。
学習データ(Training Data)
AIが「こういう場合は、こうするんだな」と学ぶための教材データ。松井事務所が持つ長年のクライアントの仕訳履歴は、他にはない貴重な学習データになります。

まとめ

松井会計事務所は、ただ業務を効率化するだけではなく、
「データを外に出さない会計AI」を武器に、
会計事務所として新しいビジネスモデルを作れる。

🎯

3つのポイント

  1. データを外に出さない — freeeやマネーフォワードにはできない、事務所ならではの武器
  2. 中林さんの経験をAIに引き継ぐ — 知識が無駄にならず、システムとして残る
  3. 新しい収益源になる — 入力代行から、システム提供+専門コンサルへ

松井先生、息子さん、そして私(玉川)。
3人が揃った今が、ベストタイミングです。